美空 Vol.49 
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格もそうかもしれませんね。ないから自分はダメだと思うのではなく、気位をちゃんと持つ。――森川悦明内海 おふくろが三味線や踊りを習っていたから、私も習ってたんですよ。そしたら芸人さんが声をかけてくれて。すぐには舞台に出られないから、楽屋で毎日勉強しました。舞台を見ながら、「あのおばさん、下手だなあ」とか粗探しばっかりして。そうやって見て学んでたから、いざ舞台に出たら、「あの子はすごい」と言われましてね。森川 幼い頃から素養もおありだったのですね。内海 その後、20歳の時に子どもが生まれちゃった。できた子は育てなきゃなんないから、芸人をしながらキャバレーでも働きました。森川 当時のキャバレーというのは、上流客が集まる社交場ですよね。内海 上が料亭で、下がキャバレーでした。だから料亭のお座敷で三味線弾いて、上と下の両方で働きました。キャバ7レーでバンドもやりましたよ。森川 好江さんとコンビを組まれたのはいつ頃ですか?内海 私が28歳で、好江が14歳の時。好江のお父さんとお母さんが、私の亭主だった人と兄弟弟子で。「面倒見てくれませんか?」と言われて預かりました。親は芸人だけど何も習ってなかったから、三味線も踊りも全部仕込んで。森川 厳しく教え込まれて。内海 私は苦労しながら育ったから、社会のことなんかもいろいろと知ってましたから。森川 人を見ながら学んできて、ご自身に根づいた信念もおありでしょう。内海 そうですね、まず、できないってことは言わない。なんでもやっちゃうんです。学校にはほとんど行ってないけど、字を書かなきゃいけなければ書く。黙って勉強しましたよ。キャバレーでも、もともとダンスなんかやったことないわけです。最初はお客にくっついて踊るけど、しまいにはお客をリードする。森川 すごい! 誰しも、できるものならそうありたいですが、なかなかうまくはいきません。内海 やったことないからダメだと思ったらできない。今だってツイッターなんかわかりませんよ。でも、知らないからできませんと言ったら私じゃない。わからないことでもわかる顔をして、そのうち本当にわかってくればいい。森川 品格もそうかもしれませんね。ないから自分はダメだと思うのではなく、森川悦明Morikawa Etsuaki品美空対談411 広々としたラウンジには、本や雑誌、新聞が読めるライブラリースペースも。外の景観を眺めながら、コーヒーやお茶を自由に飲み、ゆったりと過ごすことができる。2 フィットネスルームでマシンを試す内海さん。着物姿で足を動かし、「こりゃいいねぇ」。3 麻雀やビリヤードなど、遊びの施設が充実している。「花札はやるけど、麻雀はやらないね」と言いつつ、麻雀台に向かう姿が決まっている内海さん。32酒は1合、ご飯は2膳、夜中に3回お手洗い

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